2013年07月18日
ダットサイトの話②
ダットサイトのしくみが最初に考え出されたのはジェット戦闘機のコックピットの前方のスクリーンに映し出される照準システムだと言われています。


僕が初めてダットサイトらしきものを見たのは88年当時勤めていた(株)タスコ・ジャパンという会社でTASCO RAMAというタスコのプロポイントというダットサイトの原型みたいなものでした。

それを見たときはほとんどレンズは真っ暗でダットの点も暗く、何の感動も無かったです。
その後にエイムポイント2000というのを見ましたが、これもそれほどワクワクしなかったです。
そしてプロポイントの1が出たときにこれは将来性があると思いました。
当時からシューティングで有名なイチローさんもそう思ったらしく、TASCOまで僕を訪ねて来てくれました。

プロポイント1
そしてイチローさんとビアンキカップで勝てるダットサイトを作ろうとガンバッてプロポイント2を作り、スーパータイジャーを作りました。これはムービングヤーゲットのリードする距離をダットの点を移動させ補う革新的なアイディアでした。

プロポイント2
ちなみにタイジャーとはビアンキカップのムーバーを退治するもの退治屋(タイジャー)と名付けたそうです。
それから7年連続でビアンキカップの優勝者はタスコのプロポイントを使い続け、世界中でプロポイントが売れました。
イチローさんもその時アメリカで自らに開発したダットサイトを売る会社を作るんだと言って、新しいダットサイトのブランドを僕に教えてくれました。その時、当時のタスコ・ジャパンの社長がそのブランドをパックってしまい、社長の友人が勝手にアメリカで会社を作ってしまいました。僕はイチローさんの信用を失い、その話はたち切れになりました。
ちなみにそのイチローさんが考えた新しいダットサイトのブランドは『*****』といいます。
話はそれてしいましたが、ビアンキで優勝する前にジェリーバーンハートというシューターがIPSCやスチールチャレンジで好成績を挙げ、それまでスピードシューティングでは上に重たいサイトを乗せるのは不利だという定説を覆しました。
ダットサイトは早く・正確に照準でき、多少重くなってもトータルでは優秀であることを証明しました。
しかも暗いところでも照準点が光って見えるので狙いやすい画期的なサイトです。

ただし、問題がありました。
ダットサイト自体は素通しの筒みたいなもので、ライフルスコープみたいに倍率は無く、ナイトビジョンみたいに暗い場所が見える訳ではありません。
しかも、戦闘というのは暗い場所でおこなわれることが多く、市街戦になればあっちこっちで戦闘が始まります。
市街戦では必ず4種類の人間が出てきます。敵、見方、民間人、アンノンウン(わからない人)です。
正規の軍人は敵(戦闘の意思のある)意外は撃ってはいけないのですが、戦闘中に見かける人のほとんどを敵かアンノンウンに見えるらしいです。
早く正確に当てられる素通しの筒ですから、当然誤射も多くなり、友軍を撃ってしまったり、民間人を撃ってしまった事件が多く発生しました。
皮肉なことに早く・正確に狙った場所に当てられるサイトのため、早く・正確に誤射してしまうことになってしまいました。

こんな感じです。戦闘中なら撃ってしまうかも。
しかも、近い距離ならまだしも、遠距離の戦いになったら誤射ももっと多くなります。
(もちろんサイトのせいばかりではありません)
人間の目にすごく近く、視界も広い、素早く正確に撃てるためのダットサイトはその後、A.C.O.G.に変わっていきます。

4倍のトリジコンA.C.O.G
(ちなみにA.C.O.Gはアドバンスド・コンバット・オプチカル・ガンサイトの略)
ダットサイトの利点も残しておきたい人はダットサイトに3倍くらいのモノスコープを付けたりしました。

3倍モノスコープを付けたイオテック・ホロサイト
それでもダットサイトはすごく優れたサイトなのです。
つづく
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タグ :ダットサイト
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