2014年03月25日

白バイ隊の訓練





桜も咲いてきて、だんだん暖かくなってきました。先日、ある訓練を受けてきましたので、その模様をレポートしてみたいと思います。
皆さんは警察の白バイ隊員達がなぜあんなに低速でも安定して走行してるのか、不思議に思った事はないでしょうか? 暴走族と違うのは言うまでもなく、普通のライダーと比較しても安定性において歴然としてるのは誰が見ても明らかです。そこには秘訣があるのですが、それを惜しげもなく伝授する“Ride Like a Pro”というカリキュラムが米国には存在します。今回はそのクラスを受けてきました。

バイクというのは二輪ですから、四輪の自動車と異なり、止まっている状態では左右どちらかに倒れてしまいますし、低速であればあるほど惰性や遠心力が働かないので不安定です。バイクに乗った経験のある誰もが“立ちゴケ”を経験しているはずです。このブログで何度か紹介したように、私は非常に高価で特別なヤマハ製VMAXを所有していますので、立ちゴケするわけにはいきません。そこでこのクラスを受けることにしたという経緯です。

bike

クラスではまずファンダメンタルから入ります。そしてまずインストラクターが実践してみて、各自がやってみるというシステムなのですが、これが簡単でわかりやすく、最短時間で習得できるようになっています。米国で白バイ警官に施す訓練は80時間だそうですが、このクラスはそれを5時間に短縮しています。このRide Like a Proのプログラムは現在、全米において展開中で、数多くのライダー達から絶賛されるシステムです。この講習を受けたライダーとそうでないライダーとの事故率に大きな差があるというデータでもその効果は証明されています。それほど優れた教育システムなのです。



今回のインストラクターはアトランタ警察で20年間白バイ隊員としての勤務経験があるスコット・フォードという退役警察官でしたが、ハーレーの中でも最大サイズであるFLHを自身の手足のごとく自由自在に操ります。写真の黒と黄色のバイクがそうですが、低速でフットボードをガリガリと地面に擦ってUターンやスラロームを苦も無くこなすそのテクニックには圧巻されました。百聞は一見にしかず、詳しくはホームページのビデオを見てみて下さい。 http://www.ridelikeaproatlanta.com/



また不幸にも立ちゴケしてしまった時の対処法も教わりました。正しいやり方だと、あの400kgあるFLHが体重50kg程度の女性でも簡単におこす事ができてしまいました。クラスの最後は少し時間があったので、カリキュラムには無かったフォーメーションも教わりました。その理論と実践性は理にかなり、初回のトライで全員がスコットの号令の下、統率の取れた走りをして、一列横隊で駐車できてしまったほどでした。
今回のクラスを受けて、改めて確認できた事があります。射撃や格闘技にしてもそうですが、何においても正規のプロフェッショナル・インストラクターの下で正しい技術を学ばなければならない、という事です。警察なら警察、軍隊なら軍隊で、10年以上の実務経験があり、インストラクター資格を持っている教官から学ばなければならないという事です。私もバイクは免許取得時に教習を受けただけでしたので、自己流の限界を今回のクラスで改めて認識させられました。同時に避けなければならないのが多少の知識を伴った素人の訓練です。これは危険極まりないので絶対に避けて下さい。



バイクのツーリングに行く皆さん、安全運転で楽しいバイクライフをエンジョイしてください。

飯柴




  

Posted by ELITEMASTER  at 21:40Comments(0)インストラクター