2016年09月29日

戦車登場100周年記念

軍事に興味の無い一般人でも、誰でも戦車は知っていると思います。ですが今年が戦車にとって記念すべき年なのを知っている人は少ないと思います。
 1916年9月15日にフランス北部での『ソンムの戦い』において、戦車が実戦デビューしてからちょうど100年が経ちました。今回はその100週年記念という事で、フォート・ベニング基地内にある戦車博物館のレストア工場を訪れてみました。

 戦車といえば、誰もがキャタピラと回転式砲塔をイメージすると思います。おそらく一般人の頭の中に浮かぶのは、多分旧ソ連製T-72戦車のような形ではないでしょうか。ですがデビュー当時の戦車は、そのイメージとは全く違った形をしていました。それがこのマーク1戦車です(写真は改良型のマークIV)。マークIの改良型マークIVですが、日本陸軍も1918年(大正7年)にマーク IV 戦車を1輌輸入しています。戦車が初登場してから2年以内に購入しているわけで、当時の日本軍の『欧米に追いつき追い越せ』の気迫が感じられます。




 マークシリーズの戦車は塹壕戦で投入されたものの、不具合が多数出て思ったように活躍できませんでした。また居住性も悪く、内部はエアコンなどもちろん無く、温度は50度にも達したそうです。暑いだけどころか排気ガスが充満して、一酸化炭素中毒になるほどで、乗員はガスマスクの着用が必要だったそうです。それと比較すると、現代の戦車は本当に快適で、エアコンはもちろん核攻撃を受けても放射能が内部に入るのをある程度防いでくれます(米陸軍のM1A2エイブラムス戦車)。
 最新戦車と比較しながらこのマークIVを見つめると、何だか不思議な気持ちになってきます。また私自身、この最初の戦車、マークシリーズを実際に目にするのは初めてでした。ちなみに私は戦車兵ではなく、対戦車歩兵でしたので、戦車を破壊するのが専門です。






 この他にも、第二次大戦のタイガー戦車、T34戦車、3号突撃戦車、などが展示され、まさに戦車歴史博物館と言えます。グアムかサイパンで捕獲したという日本軍の95式戦車までありました。
 ですが博物館長の話を聞くと、年間予算が8000ドルしかなく、レストアが思うように進まない、と言っていました。手遅れにならないうちに、立派な建物内に完全レストアした戦車たちを展示して欲しいものです。


今回は戦車が実戦に登場して100周年という事で、初期の戦車を紹介してみました。

飯柴


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Posted by ELITEMASTER  at 16:39Comments(0)インストラクター