2012年11月29日
ライフルスコープについて
ライフルスコープの話のつづきです。
昔、ある特殊部隊の人が「拳銃を練習してもなかなか当るようにならない」と言ってまして、使用している拳銃がSIG226Rでした。
それでその拳銃用に特別にマウントベースを作ってあげて、それにダットサイト付けて撃ってもらいました。
驚くことに50mの距離で片手のこぶしくらいの大きさのグルーピングでした。
アメリカのシューティングマッチのビアンキカップ用の競技専用銃でもアイアンサイトで撃つと10~15cmの集弾性能です。
カップガンは銃単体でもバレルや撃鉄、トリガーなど特注部品を多く使いますので、目の玉飛び出すほど高価です。
それでもストック(無改造)の銃にダットを付けた方が命中率が高くなりました。
光学照準器が単に自転車に補助輪を付けるだけのもではなく、自転車に高性能なエンジンを付けるような感じです。
ダットサイトは基本的に右で銃を構えた時は右目でダットを見ます。左で構えた時は左目でダットを見ます。
どちらの場合でも反対の目は開けておいて、撃ちたい目標を見ます。つまり必ず両目を開けて、両目照準をします。
ダットサイトを使い慣れている人は判ると思いますが、そのように撃つと視界は非常に広く見え、敵を探しやすく、素早く撃つことができます。
さらに暗い場所でも赤く輝くダットで、照星・照門よりかは格段に見やすくなります。
だから「ダットサイトはすごい、みんなで使おう。」とイラク戦あたりの米軍は猫も杓子もAimpointやEo-techなどM4の上に乗せて使ってましたね。
ところがここで大きな問題がでました。ダットサイトは比較的近い距離ならいいのですが、少し離れると所詮肉眼ですから、識別能力に限界がでます。怪しいやつを早く、正確に撃てるけど識別能力に乏しいと何が起こるかはすぐにわかります。
撃った死体を見に行くと友軍だったり、民間人だったりすることがおきました。
また、短く銃身を切ったM4にダットサイトですから遠距離には不向きで、敵は遠距離から攻撃してくるようになりました。
そこで使われだしたのがTrijicon社のA.C.O.G(Advanced Combat Optical Gun-sight)エイコグとか呼ばれます。
これは良くできた軍用ライフルスコープで小さく軽く、昼でも夜でもレティクルが光り、電池不要という画期的な軍用スコープです。米軍にはすでに100万台以上入っています。
この画期的なライフルスコープもまた良い面と悪い面があります。
また、つづく。
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