2015年12月21日

オークリー プリズムレンズ

オークリー社の製品は、その斬新なデザインと、そのデザインに比例する高い機能性で、常に時代の最先端を牽引してきました。オークリー社のすごいところは、本来アイウエアが専門なのに、ブーツやグローブなどの他分野に進出しても一級品を作り上げるところです。



そのオークリー社ですが、私は長年に渡って同社製品のサングラスを愛用してきました。SI Mフレームが米陸軍支給品だったから使い慣れているという理由もありますが、『品質が優れていたから』というのが最大の理由です。
眼球とは身体の中で最ももろい部分であると同時に最重要箇所でもあります。骨折や打撲などの負傷は完治しますが、眼球は一度壊したら元には戻りません。しかも人間は情報の70%を視界から得ると言われています。よって最大限の注意を払って保護する必要があります。直接的な接触だけでなく、紫外線や赤外線などの強い光(人口・天然の両方)からも大事な目を守らなければなりません。これらの光線は多くの場合において手遅れになるまで気がつかないので、ある意味直接的な接触よりも危険です。私自身、夜間射撃訓練中にPEQ-2を付けっぱなしにしている兵士がいたのを何度か目撃しました。IRは強力ながらも非可視光線なので、本当に危険でした。訓練中は失明の危険性があり、実戦では敵がNVGを装備していたら、その光源を狙われてしまいます。



もっと身近なところで多くの死者・重軽傷者を毎日出すのが車の運転です。日本でも年間数千人が命を落とし、米国でも1万人以上が死亡しています。2001年以降の米兵の戦死者が1万人に達していないのですから、その数がいかに多いか、比較すると良く理解できます。私は運転専用のサングラスが無いのを長い間不満に感じていました。需要に対して供給が皆無だったのです。ここに来てOakleyがPrism Roadレンズを開発しました。プリズムレンズは野球用のBaseball、アウトドア用のTrail、水面の乱反射を防ぐWaterなど、目的に合わせて選べるのが特徴です。私が選択したRoadは運転用で、フロントガラスの乱反射を抑え、運転に必要なだけの光量を目に提供してくれます。全てがグレーに見える曇りの日でも、道路上の線、木の葉や建物の色彩(ボーダーライン)をクッキリと目に投影してくれます。これは軍人にとっても非常に重要な事です。というのもACU迷彩採用以降、米陸軍基地内で車が将兵をはねる事故(死亡事故を含む)が多発しています。ACU迷彩が市街地に溶け込みやすいよう開発されており、運転手から将兵が見難いのが原因です。これはある意味仕方の無いことであり、皮肉にもACUI迷彩の効力を証明する事となりました。実際に私も基地内を運転していて、『おっと、危ない!』と思った事が数度ありました。
いずれにしても、運転中に限らず、目を保護しながら良好な視界を得る事は安全の第一条件です。オークリーのプリズムシリーズは、ユーザーの期待を裏切らないアイプロである事は間違いありません。

飯柴





写真キャプション:アメリカのショッピングモールにあるオークリーストアのカスタムショップ。まず自分の好きなフレームのスタイル、レンズの種類と形状、そしてフレームとサイドのロゴの色を選択して、自分自身だけのカスタムサングラスを作り上げる事ができる。私が今回選択したのはレイダーロックのフレームで、レンズはプリズムのRoad、フレームの色はマットブラック。
  

Posted by ELITEMASTER  at 22:47Comments(0)お店の商品情報インストラクター