2015年07月02日

B&T GL-06 40mm 多目的ランチャー

B&T GL-06 40mm 多目的ランチャー


今回もB&T社製の銃器を紹介します。今回は40mm口径の多目的ランチャーです。
40mmといえば、米軍で長年使用されているM203がすぐに浮かびます。それとは異なり、GL-06は主に警察の対暴徒用途に開発されました。
ですのでここでは対暴徒用途を中心に話を進めたいと思います。
まず40mmグレネード弾を発射する銃器の特徴ですが、多種の弾頭を目的に応じて選択し、致死性・非致死性の両方において効果的なダメージを与える事が可能な事です。致死性の弾薬を例に挙げますと、HEDP(High Explosive Dual Purpose:多目的榴弾)、HE(High Explosive:高性能炸薬弾)、Fragmentation(破片飛散弾)、などです。


非致死性の弾薬の例を挙げますと、催涙弾、ゴム製バックショット弾、プラスチック製スラッグ弾、マーキング弾、などです。
射程距離は最大で2212m(Mk-19から発射された場合)と、狙撃銃以上の長距離をカバーします。
2km以上先から手榴弾が全自動で降ってくるわけですから、敵にとっては最も恐しい兵器のひとつでしょう。
ところが暴徒鎮圧用途となると話は違ってきます。群集に向かってHEDP弾を撃つわけにはいきません。
そこで威力を落とした非致死性弾を的確に発射するシステムが必要となってきます。そのためにGL-06の最大有効射程は300mまで落ちますが、暴徒鎮圧には充分すぎる威力と距離です。
(榴弾の全長ももちろん短縮)
40mmグレネードの欠点のひとつに、『弾薬が高価』という点があります。
種類によりますが、非致死性弾薬ですら1発4000円から6千円もします。
よってバカスカ撃って訓練するわけにはいきません。当然、射手は練習不足になりがちです。
予算が豊富にある米陸軍ですら、普段は弾頭が青くマーキングされているTP弾(Training Purpose)しか撃てませんでした。
GL-06はこの点を解決しています。


推進方法を雷管が炸裂する圧力を増幅させるシステムによって、雷管のみの再装填で再発射できるようになりました。
これによって単価が200円ほどに落ち着きます。これならば射手は充分な訓練が可能です。
命中精度ですが、40mmはエリア・ウエポンであるため、ピンポイントの命中精度は求められておりませんでした。
ですがメディアの目がうるさくなってきた今日ではそうも言ってられません。
GL-06はAimpoint T-1を標準装備することにより、ピンポイントでスラッグ弾を当てられる性能を持っています。
操作性は左右対称になっており、左利きの射手でも問題なく使いこなせます。再装填も肩越しに廃莢し、すばやく行えます。
(1分間で6発の発射が可能)チャンバーにはスリットがあり、装填されているかいないかが一目瞭然でわかる仕組みになっているのも安全管理を徹底させたい指揮官にとっては喜しい限りです。
ストックはバイザーを使用した際に邪魔にならないよう工夫された特殊ストックが装着可能です。
このストックはMP-5と共用することができ、すでに日本警察も採用し、好評を得ています。
しかも重量は2kgと軽く、体力が無い射手でも容易に取り扱えます。


現在の日本は安田講堂事件のあった昭和40年代頃と異なり、暴動が頻繁に起こる可能性はすくないですが、起ってから対応したのでは遅すぎます。
来年のサミット、2020年のオリンピック、と重要な国際イベントの予定が迫ってきてますので、GL-06のような40mmランチャーを効果的に活用して訓練を行うことを私は推奨します。
最後になりますが、回転式連発式の40mmガンは絶対に避けましょう。
重量がありすぎる、トリガープルが重い、再装填に時間がかかる、ジャムった時の対応に時間がかかる、などロクな事がありません。
見た目が派手なので、映画等には向いているかもしれませんが、実際は全く使い物になりません。
今回は最新の40mmグレネードランチャー、B&T社製GL-06を紹介しました。

飯柴
(筆者は現役時代にMk-19 40mmグレネード・マシンガンの射手でしたので、40mm榴弾に関してはプロの知識と経験を有しております。)


B&T GL-06 多目的ランチャー 試射レビュー


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Posted by ELITEMASTER  at 19:21Comments(0)装備品・訓練