2014年05月21日

5.11 PACKABLE JACKET


これからうっとしい梅雨がやってきます。
だから1つ持っていると助かるジャケットの紹介です。


5.11 PACKABLE JACKET(パッカブル・ジャケット)とはパックされる上着という意味です。

左のポケットを引き出して、その中にジャケットを全部入れてしまうとコンパクトなパックになってしまう便利なジャケットです。


これなら携帯にも便利だし、バッグや車に入れておいても邪魔になりません。
夜、寒くなったときや急な雨のときにすぐジャケットになるので助かります。


5.11 Packable Jacket
簡易防水・撥水ジャケット(ネービー、ブラック、OD)


5.11 Lined Packable Jacket
簡易防水・撥水ジャケット フリースライナー付(ネービー、ブラック)
フリースライナーが内部に入っていますので、暖かいです。

タクティカル プロショップ・エリート

エリート・オンラインショップ



  

Posted by ELITEMASTER  at 20:28Comments(0)お店の商品情報

2014年05月21日

ローンサバイバー

業界で話題になっているアクション映画『ローンサバイバー』を遅ればせながら観ましたので、感想を述べさせていただきます。
通常、自分は映画は映画と割り切って観るので、細かい箇所をつつくような意見は述べません。
映画はエンターテイメントであり、おもしろければそれでいいと割り切っています。
ですが今回は実話に基づくストーリーという事と、舞台が自身が実戦を経験したアフガニスタンのコナール州である事から、意見を述べさせていただきたいと思います。




まず土壌ですが、針葉樹林が多く見られました。撮影場所の詳細は知りませんが、レッドウイング作戦が行われたアフガニスタン東部コナール州という舞台設定では、いくらなんでも針葉樹林が多すぎます。
コナール州は川岸に多少の針葉樹林はありますが、映画のように山肌にまで針葉樹林が生えているような場所はありません。
殆どが乾燥植物か禿山でした。これは私の著書にある写真を見ていただければすぐにわかると思います。
まさか本当にアフガニスタンのコナール州で映画撮影を行うわけにはいきませんが、もう少し似た地形を選択してくれたらな、と感じました。

次にタリバンが使用していた兵器です。
AKをはじめとして、新品同然のピカピカな状態でした。
これも自分がタリバンから兵器を多数押収した経験から言わせていただきますが、彼らの兵器は金属部分は錆び、木製銃床部分はヒビ割れていたりと、あのような程度のいい銃器は目にしませんでした。
タリバン兵士達の服も新品の布が使われていましたが、これらもボロボロもしくは使い古された古着でしたが、映画ではほぼ新品の布を使用しているように見えました。この辺をもっと工夫すればもっといい内容の映画ができたのでは、と思います。

次にシールズ隊員の行動です。まず傷口に土をつめる作業は絶対にやってはいけません。アフガニスタンの土壌ば雑菌だらけで、それをやったら最後、間違いなく傷口が化膿します。もちろん、ファーストエイドキットを紛失し、やらなければ出欠多量で死亡する場合は別かもしれませんが、自分が習ったファーストエイドに土を詰める方法はありません。

また水場を発見して全身で飛び込む行動は完全なフィクションだと言わざるをえません。たとえ真夏であろうと、衣服が濡れれば低体温症を起こします。
昼夜の温度差が激しい砂漠地帯ではなおさらです。
特殊部隊であるシールズの隊員がこの事実を知らないはずがありません。
またコナール州の川の水は下水道を持たないアフガン人が糞尿を垂れ流すので雑菌で汚染されています。
私自身、『生水は絶対に飲むな、飲むと赤痢になる』と厳重に注意されていましたし、その水を使って髭を剃った自分の小隊の仲間の毛穴全てが化膿したのを良く覚えています。

タリバンに拘束された際のシールズ隊員の言動にも首を傾げました。
F**K YOU!!を連発していましたが、絶対にやってはいけない行為です。
これはSEREスクールで習う項目です。
シールズ隊員ならSEREスクール課程は卒業しているはずなので、これは完全にフィクションだと思われます。

次にストーリーですが、アフガニスタン東部のヒンデュークシュ山脈の地形は鋸の刃のようで、映画にあったように、谷底で無線機が使えなくなるのは自分も実際に経験しました。これは本当です。
少数で展開中の部隊が通信手段を絶たれるほど危険な情況はありません。
映画では敵から奪ったNon-Secureの衛星電話で緊急連絡していましたが、あれはやむをえない行為だったでしょう。
連絡しなければ部隊が全滅するわけですから、選択の余地がありませんでした。これは正しい行為です。

ですがその前に羊飼い達を逃がしてしまったのは大失敗です。
ではあの場合、どういった行動が正解だったのでしょうか。
私が指揮官だったら、羊飼いに発見された時点でMission Compromised:作戦失敗です。
羊飼い達は拘束し続け、山頂まで上がって司令部に連絡がついてExfil(脱出)の手はずが整い、ヘリが見えた時点で羊飼い達を開放します。

またアパッチのエスコート無しでQRFが乗ったMH-47を出撃させた行為も、シールズの山岳地帯における陸戦経験の無さを物語っています。
ハッキリ言って完全な自殺行為ですし、最終的に出撃許可を出した将校は軍法会議の対称になるべきでしょう。瀕死の状態にある仲間を助けに行かなければならないのは理解できますが、そのために救出に向かったヘリが撃墜されたのでは本末転倒です。
これは明らかに匹夫の勇です。

いずれにしても映画の影響は大きく、馬鹿にはできません。
私自身、アフガニスタンでタリバン掃討時に洞窟を捜索する任務がありましたが、映画『ランボー3』を観た際の巨大な洞窟のイメージがありました。
ですが実際の大きさは人が一人やっと通れる程度で、映画と現実のギャップに苦労したのを良く覚えています。
現場に赴く兵士が負傷した際に、雑菌だらけの土を傷口に詰め込むような行為を行わない事を願うばかりです。

『ローンサバイバー』は米国での評価は6.6/10程度だそうです。それほど高い数字が出ないのは、米国にはアフガニスタンでの実戦経験者が大く、視聴者の目がそれだけ肥えているからでしょう。
カメラアングルなどもあまり良くは無く、監督の未熟さを物語っていました。

辛口の論評になってしまいましたが、私の意見を参考にして映画を観ていただければ、また別の意味で映画を楽しめるのではないでしょうか。

飯柴

ローン・サバイバー

ESS ローン・サバイバーキャンペーン



タクティカル プロショップ・エリート

エリート・オンラインショップ



  

Posted by ELITEMASTER  at 12:25Comments(0)インストラクター