2017年10月03日

ラスベガスの乱射事件 アクティブシューター

ラスベガスの乱射事件 アクティブシューター
10月2日未明、真夜中に鳴った電話で私は起こされました。
電話の相手はラスベガス在住の知人・セキュリティ関係者です。『ベガスで今、乱射事件が起きている。
ルクソールから通りを隔てた広場だ。シューターは高い階から全自動で発砲している...』
慌ててTVのニュースをつけると、コンサートの観客が携帯で撮ったと思われる動画が出ていました。コンサートの音楽が突然止まり、乾いた発砲音が聞こえてきます。
全自動、おそらく5.56mm口径の発砲音です。
場所はルクソール・ホテルからラスベガス通りを隔てた目の前の広場で、射手はマンダレイベイ・ホテルの32階から発砲したとの事でした。
マンダレイベイもルクソールも、私は宿泊経験がありますし、その場所もよく知っています。
頭の中で地図がすぐにイメージとして浮き上がりました。距離にして約400m-450m、無差別発砲するには最適の位置です。
しかも満員の野外コンサート会場、大量殺人にはうってつけの標的です。
以前から私はこのブログ上でアクティブシューターの危険性について述べてまいりました。今回、それが最悪の形で現実となってしまいました。
というのも、私は『自分がアクティブシューターだったら、離れた高い位置からコンサート会場のような人混みに向かって発砲するだろうな...』と想定していたのです。
ラスベガスの乱射事件 アクティブシューター

アクティブシューターへの基本的な対策は以前にお話しました。
ですが今回のような場合はまさに運が大きく左右します。
ですが、ある程度は予防する事ができます。
基本の『君子危うきに近寄らず』の鉄則の通り、アグレッシブな人間が集うハードロックやヘビメタ等のコンサート、フーリガンが集うようなサッカーの試合、などの観戦はなるべく避けるべきでしょう。
ただ今回は『ルート91・ハーベスト・フェスティバル』と呼ばれるカントリー音楽のイベントで、特にアグレッシブというわけではありません。
ですから本当に運としか言いようがありません。
私自身、ラスベガスには50回以上行ったことがあり、つい先月も滞在していました。ベガスではショーやボクシングの世界戦などを何度も観戦しております。
ラスベガスの乱射事件 アクティブシューター

ですから他人事では無い、というのが正直な感想です。
最近の米国では、イベント会場の入り口に金属探知機を備え、銃器の持ち込みは難しくなっています。
ですが、このように離れた場所から銃撃されたのでは、手の打ちようがありません。現場の目撃者も、『発砲音が聞こえたが、どこからかは解らなかった。逃げるだけで精一杯だった』と証言しています。音楽が鳴り響くコンサート会場ではなおさらでしょう。
いずれにせよ、最初から死ぬ気のアクティブシューターに対する完璧な対抗手段はありません。文字通り失うモノがなく、『1人でも多くを道連れにぶっ殺して、オレも死んでやる!』が動機だからです。
犯罪心理学者の分析によると、こういう事件が起きた直後の3-4週間(人々の記憶が新しい期間)は危険だそうです。
というのも事件に影響を受けた人が、同じ事をやろうとするからです。これを英語でコピーキャットと言います。
ですので皆さんも数週間はコンサートなどのイベント会場に足を運ぶのは控える事をまずお奨めします。Stay Safe。

飯柴


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Posted by ELITEMASTER  at 12:10 │Comments(0)インストラクター

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