2016年06月09日

欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

EFKO (Europe Full-Contact Karate Organization)トレーニングキャンプ レポート
欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

今回のインストラクターであるフルコンタクト空手界の高名師範・選手・重鎮たちに囲まれた私。
 
 6月3日-5日の3日間、ベルギーの港町オーステンデでEFKOのトレーニングキャンプが開催されましたので、参加してきました。その模様を簡単にリポートしてみたいと思います。
EFKOとは、フルコンタクト空手の流派は多数存在しても、『フルコンタクト空手』という競技を確立し、各流派がバラバラに大会を行うのではなく、統一ルールで大会を行い、最終的にはオリンピック競技として認知される事を目的とした組織です。
 通常、空手のトレーニングキャンプとは、団体の有力選手・師範が数名で指導を行うのですが、EFKOとあって、その指導陣はオールスターメンバーと言えるほど豪華な顔ぶれとなりました。
新極真会代表 緑健児(日本・極真第五回世界大会王者)
新極真会 塚本徳臣(日本・新極真第六回・第十回世界大会王者)
芦原会館 セーム・シュルト(オランダ・K-1 GP 2005、2006、2007、2009年王者)
新極真会 ヴァレリー・ディミトロフ(ブルガリア・新極真第三回ワールドカップ中量級優勝、第四回ワールドカップ重量級優勝、第九回世界大会3位)
新極真会 チェンゲ・ジェぺシ(ハンガリー・新極真女子世界大会2015年王者、2015年・2016年欧州女子王者)
欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

極真空手第五回世界大会王者・緑健児新極真会代表。小さな身体で世界を制し、小さな巨人と呼ばれる。
欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

新極真の世界大会を2度制した塚本徳臣師範。マッハ蹴りや独自のステップに代表されるように、フルコンタクト空手に革命をもたらした存在。
欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

K-1ヘビー級王者、セーム・シュルト師範。私(180cm・96kg)と比較して、いかに身体が大きいかが理解できる。
欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

ブルガリアの神童・ヴァレリー・ディミトロフ師範。踵を使うヴァレリーキックは、完全武装状態でも安定して蹴れるため、重い防弾装備を着用する警察官や軍人向けのテクニックでもある。

これらの師範たちが、代わる代わるセミナースタイルで指導していきます。緑師範が小さな身体で世界を制した体力練成方法を指導、その次に塚本師範が有名なマッハ蹴りを指導、そしてその塚本師範を破ったブルガリアの神童・ヴァレリー・ディミトロフ師範がヴァレリーキックと呼ばれる独自の技を指導、その後はセーム・シュルト師範がK-1を制した技を伝授…といった具合に、世界最高峰の技術を惜しげもなく指導してもらえます。
欧州フルコンタクト空手 ベルギーの現状

まず訓練に耐えられる強靭な体力を養成するのは、空手も軍隊も警察も同じ。緑師範の号令の下、300回の腹筋運動を行う。
 
 これらの他にも、世界最強クラスの空手家・師範がその名を連ね、参加者も400人近くとなりました。その中には各国から特殊部隊員、空挺部隊員、警察官、等からの参加者も多数見られます。フルコンタクト空手の選手に軍人や警察官が多いのは、欧米では常識となっています。理由はやはり実戦的なのと、拳立て伏せ(腕立て伏せ)や走り込み、腹筋運動、などの体力練成方法が軍隊や警察のそれと似ているからだと思われます。陸自の徒手格闘も大きな意味でフルコンタクト空手に属する格闘技です。とにかく、中身が濃すぎるほどのキャンプで、充実した3日間でした。
 
 話は変わりますが、ベルギーと言う事で、ブリュッセル空港のテロ事件後の視察も、今回の目的でした。帰りにレンタカーを返す際に、成田空港のような検問(2重)を通ります。そして徒歩で空港に入る際も、検問がありました。成田と違うのは、全員が重武装しています。検問の警察官はFN P-90とB&T ACP 9mmで武装していました。どちらも5.7mm弾/9mm弾を数十発全自動で発射でき、瞬時にテロリストを無力化できます。また迷彩服を着たベルギー軍兵士が空港内外をパトロールしています。最低20名は目にしました。ただ武装はベルギー軍のFN・FNCでしたので、かさばって使い難いだろうな、と言うのが印象的でした。また要所には狙撃手がオーバーウォッチしています。テロリストが再度ブリュッセル空港でテロ事件を実行するのは、限りなく難しくなっていました。とにかく欧州のすばらしい点は、警備を厳重にしても、米国のようになりふり構わない警備で一般客を不愉快にさせない点です。
 
 残念ながらブリュッセル空港の警備状態を写した写真はありません。私自身がテロリストと誤解されるのを防ぐのと、このブログを読んだテロリスト(もしくはその予備軍)に情報を与えないためです。
 
 私は今回、欧州三カ国を訪問しましたが、『テロリストはテロしたくてもできない、標的を絞り込むのに苦労しているだろうな…』というのが印象です。旅行者は絶対に安全とは言いませんが、かなり安全と言えます。以前にこのブログでアクティブ・シューターの対処法を紹介しましたが、それと同じやり方で、かなりの危険を回避できるはずです。皆さんも旅行の際には欧州に限らず、周辺に注意しながら安全に旅行を楽しんでください。
飯柴


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Posted by ELITEMASTER  at 11:32 │Comments(0)装備品・訓練インストラクター

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