2017年01月05日

OTS スナイパー・トライポッド・システム




米軍でも精強を誇る米海兵隊のスカウト・スナイパーには、狙撃銃を支えるトライポッドとHOGサドル、そして収納するスカバード(ホルスター)が正式に支給されています。
 優れたシステムではあるのですが、トライポッドはマンフロット製のカメラ用の物です。また雲台が付いていないので、微調整ができず、海兵隊員達が自腹で雲台を購入して使用しているという現状があります。
私自身、民間用品を流用する事に不満を感じておりました。
そこで時間をかけて各種テストを行い、試行錯誤の結果、最高のトライポッド・キットが完成しましたのでご紹介します。


まず、トライポッドはMCD(Mission Critical Design:ノルウェー軍特殊部隊のスナイパーが立ち上げた会社)社製P.R.S.T™(Precision Rifle Shooter Tripod)を選びました。これはカメラ用ではなく、最初から狙撃用に設計・開発された物です。


具体的には、脚が広がる、中央部のチューブが短く地面と干渉しない、カーボンファイバー製で軽量・強靭、耐重量が20kgまである、セラコート塗装(非反射ミリタリーグリーン色)、スパイク・アタッチメント付き、といった機能があります(OTS社はMCD社の日本総代理店)。P.R.S.T™は新製品ですが、欧米の各特殊部隊でテスト的に使用され、好評を得ています(採用した部隊名はMCD社の意向で非公開)。
ボール雲台ですが、カメラ用雲台の最高峰であるProspine社と共同開発した、最高級品が完成しました(国産)。写真の物は最終プロトタイプですが、量産品もこれとほぼ同じ物となります。




カメラ用のボール雲台は強度に問題があるのと、ねじを緩めるとボールが狙撃銃の重さで傾き、『ガタッ』という大きな音を立ててしまいます。
最悪トライポッドごと倒れて、狙撃位置を敵に把握されるという最悪の事態を招きかねません。
この雲台はボールの接地面積が広く、動きが油圧ダンパーのようなので、その心配が一切無く、音もまったくしません。
この土台の上にHOGサドルを取り付けます。取り付けはクイックシュー方式です。HOGサドルに関しては、もはや説明不要でしょう。
元海兵隊スカウト・スナイパーであるジョッシュ・スタブラー氏によって開発され、現在では不動の地位を築いた狙撃銃用のクランプです。
狙撃銃だけでなく、スポッティング・スコープや双眼鏡などもはさんで固定できるため、多用途性にも優れています。
そして完成したキットはU.S. Tactical Supply製のHOGサドルキット・スカバード内に、分解せずそのまま収納できます。射手は取り出してトライポッドの脚を広げるだけで、数秒後には射撃プラットフォームが出来上がります。
スカバードはエバレストック製バックパックなどに横付けしておくのがベストです。



こうして米海兵隊のそれを凌ぐ、最高のトライポッド・キットが完成しました。もちろん価格は安くありません。
特にProspine製のボール雲台が高価です。よって部隊の予算に合わせ、海兵隊のように雲台無しにするか、またはよりコストパフォーマンスに優れた雲台を採用する、といった選択肢もあります。
それでも十分なパフォーマンスを発揮するでしょう。






いずれにせよこのトライポッド・キットは、私が自信を持ってお奨めします。
現時点では世界最高最良の選択肢である事は間違いありません。既存のトライポッド・システムにご不満がある方は、ぜひこのシステムを試してみて下さい。
きっと満足するはずです。
飯柴


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Posted by ELITEMASTER  at 12:31Comments(0)