2016年05月06日

CCWエキスポ





CCWとは、Concealment Carry Weaponsの略で、合法に拳銃を携帯する事を指します。現在の米国では、40以上の州で、重罪の前科が無ければ拳銃携帯の許可が下りるシステムになっています。賛否両論がありますが、犯罪者からすれば誰が拳銃を持って反撃してくるかわからないため、犯罪の抑止になっている、というのが理論です。




 私の意見としては、善良な市民が拳銃を携帯するのは賛成ですが、『練度がある一定以上のレベルに達した人間のみ』という条件が付きます。今まで目撃した例だと、100ドル程度のガラクタに等しい拳銃を購入したり、弾薬の知識が無いために、25口径や32口径の拳銃を携帯したり、拳銃はグロックでもポケットにそのまま突っ込んでいたり、と危なっかしくて見ていられません。また何の映画を受けたのか、44マグナム弾を使用する大型拳銃を携帯している人もいました。








 拳銃携帯方法というのは刑事物の映画等でよく見かけますが、簡単ではなく、1流メーカーの拳銃、専用のホルスター、良質な弾薬、射手の技量、の全てがある一定レベル以上に達していなければするべきではない、というのが私の持論です。上に挙げた4項目の中で最重要なのは射手の技量なのは言うまでもありません。『武器と言うものは、身体の一部と同じように扱えなければ、実戦では役に立たない』と私は習いました。全くその通りだと思います。未熟な射手が不用意に拳銃を携帯すると、暴発などにより自分自身や第三者を傷付ける可能性が高く、そうなった場合は射手本人が法律によって罰せられます。第三者が死亡すれば、当然殺人罪が適用されます。犯罪抑止の為に拳銃を携帯したのに、これでは本末転倒です。

 CCWが許可され始めた当初は、携帯向けの小型拳銃(ハードウェア)のみが続々と発売になりましたが、今回のエクスポを視察した印象は、訓練用器具やホルスターなどのソフトウェアの充実でした。特に女性向けの製品が多く出展されていました。女性と男性は体型や着用物が異なるので、全く違った製品のラインアップが必要となります。よって下着などを改造したホルスター類が多く出ていたのが印象的でした。




CCW許可証が降りたからと言って、無制限に携帯できるわけではありません。空港内や連邦政府ビル内はもちろんの事、銀行、バー、警察署、ショッピングモール、大学、イベント会場、などはCCWを認めていない場合が多く、こういう場所を訪れる際には拳銃を持って行かない、車内に残しておく、など自己責任で事前に武装解除しなければなりません。空港等でうっかり拳銃を携帯したまま金属探知機に引っかかり、拘束される事例が後を絶ちません。CCWエクスポ会場の近くでビヨンセがコンサートを行っていたので、同日に観て来たのですが、私の目の前でまさにそれが起きました。幸いにもこの人物は拘束はされませんでしたが、車内に拳銃を置いてくるように、と警察官から厳重注意されていました。


 日本はこれからG7サミット、東京オリンピックと、国際的なイベントが続きます。警備任務に就く警察官の皆さんは、CCWで色々と苦労しているとお察しします。良質な装備を選択し、安全に拳銃を携帯して下さい。
飯柴

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Posted by ELITEMASTER  at 11:29Comments(0)インストラクター