2014年11月21日

アクティブシューターへの対応方法




オタワ連邦議事堂銃撃テロ事件
「平和な国」というイメージの強いカナダで10月22日、首都オタワでこの事件は起きました。男は、戦没者慰霊碑の前で警護の兵士を銃撃し殺害、道路を挟んで向かいの連邦議会議事堂へと駆け込んだ後に議会衛視と銃撃戦になり、衛視長が男を射殺しました。
今回の事件現場となったカナダ連邦議会議事堂(日本の国会議事堂に相当)は私も訪れたことがありますが、敷地に高い塀があるわけでもなく、行々しい警備があるわけでもなく、誰でも立ち寄れそうな開かれた構造です。今回の事件によってカナダ政府関係者は「警備態勢の見直しが必要だ。だが慎重にやらねばならない」と言います。なぜなら警備は確かに重要ですが、同時に大切なのは民主主義の下、開かれた制度と市民の自由を維持する必要性もあるからです。この2つの適正な均衡点を見つけるのがこれからの課題である、と同関係者は指摘しています。私もまったく同感です。こういう事件があるとなりふり構わず警備を強化する米国と異なり、カナダは大人の対応ができる国民性があります。ついでに言いますと、事件当時は議会内にハーパー首相がいました。
ちなみに私は今年発行された『イラストで学ぶ世界の特殊部隊 アメリカ編』(ホビージャパン)において、『カナダでテロが起きるとしたら、政府機関が集中している首都オタワの可能性が高い…』と指摘しています。今回はその予想が見事に的中してしまいました。




アクティブシューター対抗策
コロラドのコロンバイン高校での銃撃事件から始まり、ヴァージニア工科大学での韓国人生徒による無差別銃撃事件、日本でも池田小学校の事件や秋葉原の事件(共に凶器は刃物)等…こういった無差別襲撃事件での容疑者を専門用語でアクティブシューター(以下AS)と呼びます。当然の事ながら軍隊や警察機関には専門のAS対応マニュアルが存在しますが、容疑者に対して手の内を見せる事になりかねないので、ここで詳しく述べる事はできません。またそれらは銃器を携帯して任務に就くプロのマニュアルであり、一般人にはあまり役には立ちません。ですがここで一般人にも役に立つ秘訣をひとつだけお知らせしたいと思います。
まず、ASの殆どが自殺志願者であり、一人でも多くを道づれにして死にたい(もしくは死刑志願者)という目的を持った人物で、文字通り死ぬ気です。残念ながら死を覚悟した人間に対抗する有効な策はありません。ですが巻き込まれる可能性を最小限にする方法はあります。
ASは必ずと言っていいほど、入り口から侵入直後(もしくは現場に到着直後)に発砲を含めた殺傷を開始します。ASが現場に着いて、落ち着いてしばらくしてから発砲を開始したという例はありません。ですのでレストラン、学校、その他の施設においてなるべく入り口から離れた場所に席を取ってください。そして入り口が見渡せる角度で席につくのがベストです。ASはこれから無差別殺人を起こして自分も死ぬつもりなわけですから、当然ながら表情が一般人のそれとは異なります。ですので入ってくる各個人の表情や服装を見て、一見しておかしいと感じたら警戒態勢を取るのが最良の方法です。私はレストランなどで着席する際に、壁を背にして入り口が見渡せ、厨房か裏口がすぐ側にある場所をなるべく選択するようにしています。変なヤツが入ってきたらすぐに厨房を抜けて裏に出て逃げられるためです。
私が各事件の現場にいたとしたら、どれもかなりの可能性で自分への被害は防げたと確信しています。ヤバイと思ったのはフォート・フッド基地で起きたハッサン少佐による無差別銃撃事件くらいです。これは例外中の例外であり、米陸軍基地内のSRPサイトで少佐が発砲を始めたのですから、これはもうどうしようもありません。SRPサイトとはどういう場所なのかは実際に経験していない方達はピンとこないと思います。簡単に言うと、SRPサイトで少佐が兵士に向かって発砲するというのは、病院で医者が患者に向かって無差別に銃撃しだすのと似ています。こういう場合はどうしようもない、というのが理解していただけましたでしょうか。こういったどうしようも無い場合を除いて上に述べた事を実践していれば、自身が被害者になる可能性は最小限になります。
日本はISISへの直接攻撃には加担しておりませんが、作戦に同調して資金を提供しているので、ISISは日本も同罪と見ています。今後も同じような事件が日本国内で起きないとは限りません。皆さんも充分に注意して下さい。
飯柴
  

Posted by ELITEMASTER  at 10:56Comments(0)インストラクター