2014年09月09日

シュアファイア製2211ルミノックス・リストライト




毎年度肝を抜く明るさとコンパクト性のある新製品を出すシュアファイア社が、昨年のショットショーでリストライトのプロトタイプを公開しました。それから1年半以上の時間をかけて、最近ようやく量産モデルの販売にこぎつけました。今回はその初回ロットを入手しましたので、レポートしてみたいと思います。



シュアファイア社といえば、タクティカルライトの代名詞とも言える存在で、軍・警察関係者から絶大の信頼を得ています。かくいう私も90年代初期に6Zライトを購入しましたが、バルブとバッテリーを交換したのみで、そのライトを現在も使用し続けています。写真のライトがその6Zです。その6Zのテールキャップには、シュアファイア社の前身であるLaser Productsとマーキングがまだあります。それだけ長い間使い続けてもまだ現役でいられるほどの信頼性があるわけです。ちなみにの6Zライトは私とともにROTC、82空挺師団、アフガニスタンで、ストライカー旅団、と数多くの訓練と実戦を共にしてきた戦友でもあります。



新製品の2211ライトですが、以上の理由から信頼性においては疑いの余地はありません。では使える装備なのかそうでないのか、2週間ほど私が使用してみた感想を正直に述べてみたいと思います。
まず利点から述べてみましょう。従来の円筒形のフラッシュライトを使用すると、どうしても片手がふさがってしまいますが、2211だとその弱点を完全に解消できます。また円筒形ライトと拳銃を同時に使用し、とっさに光のビームと銃口を正確に同箇所に向けるのは相当の訓練が必要となります。2211だと拳銃を両手で保持すると、光が銃口とほぼ同じ個所を照らすように設計されています。ここが最大の利点でしょう。また常に左腕にフラッシュライトがある、という精神的余裕とともに、警察官がベルトに装着する装備を一つ減らせるという利点もあります。また兵站を整えるのは軍隊において鉄則ですが、電池を必要とせず、従来のスマホと同じ充電器でチャージできるのは大きな利点です。明るさも300ルーメンと申し分ありません。照射時間も長く、夜勤の警察官や警備任務に就いた兵士が、一晩で使い切ることはまずないでしょう。明るさも目的に応じて三段階の調節が可能です(300ルーメンで1時間、60ルーメンで4時間、15ルーメンで13時間)。ルミノックスの時計に関しては、アナログの腕時計としてはトップクラスの信頼性を誇ります。おれは今さら言うまでもないでしょう。



では欠点ですが、まずその価格です。定価8万以上というのは、やはりいくらなんでも高すぎます。安月給の警察官や兵士たちが簡単に購入できる額ではありません。エンジニアリングに時間と開発資金がかかったのは理解できますが、コストダウンは絶対に必要です。次にやはりその体積です。重さは200グラム弱と大したことは無いのですが、やはり普通の腕時計と比較してかなり大きいサイズです。ただフラッシュライトを携帯しなくてもよくなったので、総合的に考えると、軽量化されたと言えることは言えます。またその大きさから必要以上に目立ってしまい、余計なアテンションを引き寄せてしまう可能性も否定できません。実際に私も2211を着用していて、『何の時計ですか、それ!?』と訊ねられた事が何度かありました。アンダーカバーなどの任務では使用しない方が無難でしょう。
総合的な評価ですが、主に夜勤に就いてフラッシュライトを常時必要とする方たちには、非常に有効な装備のひとつとなると思います。その投資に見合った活躍をしてくれるのは間違いないと思います。

飯柴






  

Posted by ELITEMASTER  at 18:22Comments(0)装備品・訓練